組織改革への道筋!人事の課題とは
「会社の硬直化」を防止!/組織を変革するリーダーの条件
「うちの会社、最近動きが鈍いな…」「新しいことを始めようとしても、なかなか進まない…」
多くの企業が、程度の差こそあれ「組織の硬直化」という課題に直面しています。かつては時代の寵児ともてはやされた企業が、なぜ急に失速してしまうのでしょうか?
成功体験への固執、変化を恐れる空気、決断できないリーダーシップ…。その原因は、経営層から現場メンバー、そして組織を支える人事部門に至るまで、様々な階層に根深く存在します。
外部環境が目まぐるしく変化する現代において、組織の硬直化は、成長の鈍化どころか、企業の存続そのものを脅かす深刻な問題です。
主力事業が永遠に安泰ということはあり得ません。
変化に適応し、新たな価値を生み出し続けるためには、組織自身が柔軟に変わり続ける必要があります。
しかし、「言うは易く行うは難し」。過去のしがらみや、目先の安定を求める心理が、変革への道を阻みます。
では、この「硬直化」という避けられないかに見える壁を乗り越え、組織をしなやかに変革していくためには、何が必要なのでしょうか?
リーダーは何を「決断」し、どのように行動すべきなのでしょうか?
また、たとえ役職がなくとも、”たった一人”から変革の輪を広げていくことは可能なのでしょうか?
今回作成したインフォグラフィックでは、これらの問いに対するヒントを凝縮しました。
- 組織が硬直化するメカニズム: 経営・マネージャー・メンバーの各次元で起こる問題点
- 硬直化を加速させる要因: 人事部門の課題と現場軽視の実態
- 変革の鍵「決断力」: 合理的判断との違い、リーダーに必須の資質
- 変革への道筋: 心理的安全性の本質と、小さな一歩から始める具体的なアクション
このインフォグラフィックが、自社の現状を客観的に見つめ直し、未来に向けた組織変革への具体的な一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
「会社の硬直化」を防止!/組織を変革するリーダーの条件
組織効力感、つまり「自分たちなら出来そう感」の低下が現代組織の課題です。転職や副業が当たり前になり、「この会社の人たちとならば」という感覚がなければ、優秀な人材は定着しません。
なぜ硬直化は問題か?
- 外部環境の変化に対応できず、事業が栄枯盛衰に飲まれる。
- 主力事業(A)が衰退する前に次期事業(B)を創出する必要があるが、利益減少で成長投資が鈍化。
- 結果、新規事業の機会喪失、関連ポスト消滅による人材育成機会の喪失を招く。
- 盤石なビジネスモデルが逆に、社員の当事者意識を希薄化させるジレンマも。
組織の硬直化は、経営・マネージャー・メンバーの各層で問題が併発して起こります。
経営課題が人材育成・マネジメント領域にシフトする中、人事のリーダーシップ不足が問題となるケースが増えています。
リーダーには「合理的判断」だけでなく、不確実な状況下で責任をもって前に進める「決断」が求められます。
特徴 | 合理的判断 | 決断 |
---|---|---|
情報の完全性 | 高い (データ・ロジックで明白) | 低い (不確実性・情報不足) |
根拠 | データ、合議 | 覚悟、責任、撤退ライン設定 |
リーダーの必要性 | 低い (誰でも判断可能) | 必須 (決めきれない事を決める) |
例 | データに基づく改善 | 新規事業、M&A、未知への挑戦 |
情報収集に時間をかけすぎても、決断の確度はわずかしか上がりません。決めないリーダーは存在意義がない、という厳しい現実があります。
経営層が社員に当事者意識を求めつつ、自らは現場情報把握の当事者意識が低いという矛盾が、硬直化を深刻にします。
- メンバーからの課題提起を「愚痴」と誤解。背景にある構造的問題を見逃す。
- 比喩:料理は提供されていても、厨房は火の車(特定の人頼み)かも。その人が辞めたら崩壊。
- 組織は川上(リーダー層)から腐る。リーダーの問題が組織全体に波及。
リーダー層の問題行動例:
硬直化した組織を変えるには、まず「言っても無駄」という空気を変える必要があります。
- 心理的安全性:「言うメリット」>「言わないメリット」となる文化を醸成する。単なる「傷つけない」ではない。
- 上司や人事が機能しないと、社員は「もういいや」と諦めてしまう。
- どんな改革も最初は1人の熱量から。不満や愚痴で終わらせない。
- まずは半径5mから変え、仲間を見つけ、徐々に広げていく。
- たとえ孤独に感じても、諦めずにもがいていれば、同じ想いの人と必ず繋がれる。
- カテゴリー
- HRコンサルティング、組織文化